京都会議 会員拡大セミナー
日付:1月19日(土)
時間:10:30~12:30
場所:グランドプリンスホール
LOMによって拡大に対する悩みは千差万別です。そこで、会員拡大セミナーでは、2010年度拡大委員長矢口健一先輩の基調講演を皮切りに、全国の経験豊富な講師陣による各種相談ブース(拡大マルシェ)が開催されました。
趣旨説明
拡大委員長 杉浦 卓 君
日本の青年会議所は全国的な会員の減少、LOMの減少など、決して先送りできない未曾有の問題を抱えております。全国の会員数は年々減り、LOMの数も減少していく傾向にあります、このような状態の今、会員の皆様一人ひとりが真摯に向き合い拡大を進めていかなければなりません。
「拡大は、拡大委員会がやってくれる、わたしの担いではない」一人ひとりの意識の低さがこのような事態を招いているのではないでしょうか。しっかりと現状・未来を見つめて行動を興してまいりましょう。
現状を放置すると2013年度の日本の青年会議所の会員数は3万4千人弱と想定されます。現状の全国の拡大率11%、退会率は6%を前提にシミュレーションを行うと、5年後には2万人にまで減少する事が予想されます。
少子高齢化が進む現代で長期的な拡大を実践していくには、どれだけの拡大率が必要なのでしょうか。結論として全国33%の拡大率が必要になります。これを実践すれば5年後でも5万人の規模が維持できる試算でございます。数字にすると約1万人です。大風呂敷を広げているように聞こえますが、皆様の熱いハートを持ってすれば不可能ではありません。
各LOMで3人に一人の拡大を行えば達成できる数字なのです。JCの基本運動と言われる、拡大活動をもう一度見直しましょう。
勧誘するのではなく、新入会員がJCを熱く語れるように成長すること、それを伝えていけるようになる事が真の拡大につながるのです。拡大は組織の存続や運営の為にするのではありません。明るい豊かな社会を築く為に行うべきものです。
これからの地域の未来を本気で考え、一緒に行動できる同士を見つける事が本当の会員拡大なのではないでしょうか。
基調講演 矢口健一先輩
今、全国のLOMで「拡大が必要だ」と言った声が聞かれます。しかし、全国の約700LOMのほとんどで拡大に困っています。拡大が困難な状況でも、うまく拡大できているLOMはあるのです。逆にうまくいっていないLOMも沢山あります。困っている中で、うまくいっているLOMとそうでないLOMの違いはなんなのでしょうか。
全国でお話を聞かしてもらうと共通点があります、うまくいく理由、うまくいかない理由、それを今日は学んで帰っていただきたいです。
皆様に聞きたいのですが、この青年会議所は本当に必要でしょうか?
なぜ会員が減ってはいけないのでしょうか?
それを明確に、正確に伝える事ができますか?
では、何人の会員がいればいいのでしょうか?
それをこれから青年会議所に入ってくる人にどのようにして伝えますか?
伝える側がわかっていなければ、JCを魅力ある団体だと伝えて、そこに巻き込んでいく力が生まれないのではないのでしょうか。
残念ながら、拡大には魔法はありません。しかし、特攻薬はあります。ただ、その薬を飲み続けなければなりません。青年会議所ができて64年がたつのですが、64年間途切れることなく続いてきた事業がこの会員拡大だけなのです。
皆様のほとんどが人に勧められて青年会議所に入会したのではないのでしょうか。JCに入会する動機(勧められた理由)は三つに集約されます。
一つ目は、JCに入会すると友達が増える。
二つ目は、色々な勉強ができる学びの場である。
三つ目は、仕事のつながりが広がる事。
番外編で先輩にだまされた、などあるかもわかりません。しかし、最後は自分の意思でハンコを押して、入会金を払って入会しているのです。
この三つの動機が重要なのです、動機(ニーズ)をつかまなければ、人の心をつかむ事はできません。
この三つの動機には主語があります。それは「私」、すべては自分自身の事なのです。
入会するときは独りよがりの理由で入会する人がほとんどです、どうしてもまちづくりをしたくて入会した人はいないのではないのでしょうか。
青年会議所はまちづくり団体と言われています。それなのにどうしてもまちづくりをしたいと入会する人が一人もいないのでしょうか。
昔はJCしかない時代だと言われ、今はJCもある時代だと言われています。でも違うのです、今だってJCしかないのです。なぜJCしかないか、それは、入会する前の動機と入会した後の目的が変わる団体は他にないからです。
人の価値観を根底から変えられる団体が他にありますか?
入会した動機は自分中心でもJC活動を続けるうちに、
人の為・地域の為・日本の為・世界の為を考えれるようになっていませんか?
そんな事を入会前に考えていましたか?
そのような事をJCに入会して少しでも感じるようになったなら、
皆様の価値観は変わったのです。
あなたのまちの人口はどのくらいですか?
自分だけの事を考える人が多いまちより、人の為・地域の為に考えれる人が
多い町の方が良いに決まってます。だから拡大が必要なのです。
「まちづくりができる人」この人材を育てる事ができなければ、まちは良くならないのです。
戦後まもなく日本青年会議所は産声をあげました。戦後の焼け野原の中、未来が見えない状態でJC活動が始まったのです。どのような思いで青年会議所を立ち上げたのでしょうか?
「新日本の再建が我々青年の責務である」と立ち上がったのではないでしょうか。
そもそもJCというものは、景気が良い時、ちょと時間ができた時、
などの片手間でやるものではないのです。
JCというのは国難に準じた時、その必要に迫られて日本に生まれた団体なのです。
戦後の国難の時代にJCは生まれました。
東日本大震災・景気の悪化・領土了解問題など、今の時代もまさに国難なのではないのでしょうか。
この国難に一番必要な団体がこの青年会議所なのです。だってそれが青年会議所の原点なのだから、それが創始の精神なのだから、それを64年間、我々は紡いできたのです。
皆様、原点に戻りましょう、今の日本の国難を救うためには、一人でも多くの同士が必要です。
価値観を共有できる人が必要なのです。その価値観は自分の為ではないのです。
「世の為・人の為に力がだせる、そのような志をもった人間を育てるという事」
が会員拡大の本質なのです。
入会時にJCのすばらしさをすべて伝える事はできません。私は12年活動をしましたが、JCは奥が深すぎて、今でもわからない事が沢山あります。それを入会前のわずかな時間で伝える事は不可能です。
では、何を伝えれば良いのかというと「予感」をさせるという事です。入会すれば自分が変われるのではないかと思わせる予感なのです。
入会前の人からすると、目の前にいるあなたがJCそのものなのであります。
あなたがJCの必要性と創始の原点を語れなければその人の心を動かす事はできないのです。
予算・人数の減少で活動が困難だというのは、JCに入会しようとする人にとっては何の説得力もありません。組織に入ると組織の論点で話しがちになります。組織の理論を話されても心には響かないのであります。
「一人では愚痴、10人集まれば声、100人集まれば力になる。」
同士が増えると大きなパワーになるのです。同士が増えれば、まちはきっと良くなります。
だからJCは会員拡大をする必要があるのです。
しかし入会させるだけでは拡大と言いません。それは勧誘なのです。
一人前に育てて初めて拡大といえるのです。人数を増やすだけの拡大だと中身が伴わず、入会してもそれ以上の退会者が出るなど拡大の意味を成しません。
JCの会員拡大はフルコミッションの仕事のようだと例えられます。どうやったら会員が増えるのかと1時間考えるよりも、1時間で、より多くの人と接触する方が会員拡大につながるのです。
拡大に成功しているLOMと失敗しているLOMの違いはここにあります。
会員拡大は行動に移す事が大事で、それこそが会員拡大の特効薬なのであります。
最後に、イギリスの大司教の言葉を贈ります。
自分が若いころ世界を変えたいと思ったが変えられなかった。
しかたがないので、今度は英国を変えようと思ったがやはり変えられなかった。
もっと年をとってから、今度は自分の住んでいるまちを変えようと思ったが、
やはりまちも変えられなかった。
もっともっと年をとってから、仕方がないので自分の家族を変えようと思った、
だがやっぱり家族を変えることもできなかった。
もう寿命が残り少なくなってようやく気がついた。
もし自分自身が変わることができていたら、家族が変わっていただろう。
家族が変われば住んでいるまちも変えれたかもしれない。
まちが変わればまちの人の協力を得て、少しは世界を変えられたかもしれない。
気づいたときには遅かった。
皆様一人ひとりが変わることで世界を変えれる可能性があるのです。
会場は立ち見が出るほどの大盛況でした。全国のLOMが拡大に困っている事が見受けられました。