三木商工会議所 会頭 前田君司様

 第2回の対談は、(社)三木青年会議所第26代理事長であり、現在は(株)前田精版印刷所 代表取締役会長としての社業の傍ら、三木商工会議所会頭として地域貢献に大変ご尽力をされている、前田君司先輩です。

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岡田 
 前田先輩がJCに入会されたきっかけをお聞かせ頂けますでしょうか。

前田会頭 
 先輩から薦められました。高校は三木で過ごしましたが、加西市の生まれでもあり、いざ父の会社に入りましたが、三木の事が、そして人が全くと言ってよい程分かりませんでした。JCに入会し、本当に沢山の人と知り合えました。それが現在、日々の生活の、そして仕事においても基本となっています。

岡田 
 JCの在籍年数は何年になられるのですか。

前田会頭
 私は若いうちにJCに入会させて頂き、17年間お世話になりました。そのお陰で、17歳も歳の違う先輩とも貴重な時間を共有する事ができ、本当に有意義でした。偉大な数々の先輩に出会い、JC活動としての時間だけでなく、お酒の席に誘って頂いたり、ゴルフをしたりと交流を深める中で、様々な事を教えて頂き、本当に感謝しています。40歳で卒業し、50歳、60歳と歳を重ねるごとに、JCでの学びの本当の意味を感じます。

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岡田  
 今の我々を取り巻く社会情勢は大変厳しく、それらがJC活動をしていく上でも、少なからず影響しているように思うのですが、どのように思われますか。

前田会頭 
 苦言を呈する様ですが、JCは我々の時代から、長い時間を使って物の道理を説いて、はじめて行動に移すところがある。それが長所でもあり大切なことなのですが、今の時代にどうなのか…
例えば、同じ様に地域の発展を考える商工会議所青年部は、昔から様々な部分で共に活動できるのでは、と考えられていますが、実現していません。そこには、他にも沢山の要因、問題があるとは思うが、青年会議所のひとつの物事を決定するのにあまりにも時間を掛けすぎる、という点があるのではないでしょうか。
商工会議所青年部は地域密着型の商売をしているメンバーが多いので、盛り上がり易い。青年会議所も団体の内輪で活動するのではなく、他の団体とも人間関係、和を築いてはどうでしょうか。

岡田  
 前田会頭の時代と青年会議所の手法は変わっても、根本は変わっていないはずです。商工会議所も三木の中小企業のこれからを担う若者の成長の場であり、地域にも大きな意味を持っていると思います。
しかし我々は青年会議所、「会議所」という名前の通り、ディベート、議論をする場です。細部までとことん話し合い、気遣う。そんな事に時間を掛けて皆で出来る場は、JCしかないのではないでしょうか。そんな手法が周りの方々には多少地味にも見え、商工会議所青年部の様な派手さに欠けると映るかもしれませんが、今でも昔ながらの手法で誇りを持って活動しています。
そしてその様な活動をしてこられた前田会頭をはじめとされる諸先輩方が、三木の経済界を担っておられる。それが誇りでもあり、励みにもなり、我々の行っている事は間違ってはないと確信しています。その上で、諸団体との協働は前向きに考える課題であると思います。
我々にとって、特別会員の皆さんは大変大きな存在です。皆さんとの交流が少ない事が本当に残念に思います。そして我々の活動に関心をもっと持って頂ければ、と思います。

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岡田  
 昨今の会員拡大について、どうお考えですか。

前田会頭 
 私にもJCの入会資格のある息子がいますが、我々の時代と時代背景が違う事もあり、今の段階では仕事・家庭を大事にしてほしいと考えています。自分が17年間という長い時間、JCに在籍していた事もあり、多少の活動の中だるみもあったので、時期早尚と考えています。

岡田  
 私も含め、家庭を持ったメンバーが多数在籍しています。先輩の時代は言葉は乱暴ですが、“家庭は2の次”という風潮があったかもしれません。しかし今のJCは家族とのかけがえのない時間も大切にする、という形に変わっています。
その点だけでなく、お金の部分や会議の時間の掛け方など、時代と共に変化しています。その貴重な時間で得た財産を、仕事に家庭に、そして地域に還元出来るよう、皆で切磋琢磨しています。

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岡田  
 本年度、昭和47年組が卒業し新入会員を0とすると、メンバーが24人になります。この人数は危機的です。私がJCで学んだ事や得た事と同じ事が、この人数で新たなメンバーに得てもらえるのか、本当に心配です。その事を踏まえ、JCに一番身近な存在である特別会員の皆様にも、是非拡大にご協力を頂きたいです。

前田会頭 
 普段はJCを忘れている事があります。でも、事ある毎に思い出します。JCは今も昔も、これからの三木を背負っていく若者の集まりであり、それらの修練の場であります。すべての先輩が協力してくれるはずです。

岡田  
 ぜひとも、ご協力を宜しくお願いします。
ところで現在、商工会議所活動の中で行政・諸団体との交流はあるのでしょうか。

前田会頭 
 もちろんあります。商工会議所の会頭ということで色々な会議に参加させて頂いたり、お互いにプラスになるようなお付き合いをさせて頂いています。あと、商工会議所の会頭としての仕事の半分くらいは、諸団体とのお付き合いですね。
 私は、大勢の前で話をするという事が得意ではないので、そういった機会がある度にプレッシャーを感じます。大勢の前で話をするといった事はJCで経験させて頂いて慣れていると思っていたんですけどね。
なぜプレッシャーを感じるのかと改めて考えてみると、それは若い時はまだ失敗が許されるけれども、今は失敗が許されない年齢になってしまったという事なんだろうと思っています。

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岡田  
 そうなんですね。同じ様な事を私の父親も言っていました。「ある程度の年齢になると失敗ができなくなって、言葉にも気を付ける。JC活動の時は失敗してもいいから、良い経験をしなさい。」と言ってくれますね。
   (※岡田理事長のお父様は三木商工会議所第10代会頭・三木青年会議所第21代理事長です。)

岡田  
 去年は対外事業を多く行いましたので、今年は対内事業を中心に活動を行っていこうと思っています。それと会員拡大についても、今年卒業する7人は入会できるよう頑張りたいと思っています。
理事会ごとに拡大会議も行っていますが、前田会頭から事業や会員拡大についてのアドバイスがあれば、教えて頂きたいのですが。

前田会頭  
 年代の流れというものがあると思います。我々の時代は団塊の世代と言って、同年代の人数が多い世代でしたが、今はJCに入会できる年代の人が減って来ているのも事実だと思います。そこに景気の影響もあったり、世間一般のいろんな団体も会員が減っている状況なのではないかと思います。
ですから、今は会員増強が難しい時代になっているのも事実だと思います。そういった事を踏まえると、会員増強のためには、ちょっと語弊があるかもしれませんが、もっと気楽な団体の方が人が入り易いのではないかと思います。
私の時代は、家庭を放っていても出て行ける時代だったけれども、今は夫婦で子育てをして行こうという時代になって来ていて、そういう面も考慮して入り易い団体になってもいいのではないかと思います。
あと、仕事を覚えないといけない時期であったり、社長が健在で息子は営業だけに専念できる時期など色々なタイミングというのもあると思います。

岡田  
 タイミングの事をおっしゃるOBさんは沢山いらっしゃいます、今はそのタイミングではないからと言われているうちに、時期を逸してしまう事が多々あるのも事実です。
万全の状況でJC活動を行っているメンバーはいないと思います。それぞれハンデがある中、得るものがあると思って、貴重なお金と時間を使って活動しています。ですから「JCの人はさすが、違うな。」という風にならないといけないと思っています。そうなってこそ卒業してOBさんの仲間に加えていただけるのかなと思っています。
前田会頭のご子息も、色々な状況はあるかとは思いますが、背中を押して頂ければ、我々もうれしいです。同じメンバーでやっているとどうしても、マンネリ化してしまいますので、新しい仲間が出来るというのは我々にも刺激にもなり、組織の活性化にも繋がると思っています。

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前田会頭  
 おっしゃっている事は良く分かります。時代の流れやタイミングも大きな要因になっている事は確かであるという事で、あれだけの人数のOBがいらっしゃるわけですから、可能性のある人はいるとは思います。
組織をしっかりして頂かないとOBの方が寂しがられると思います。

岡田  
 まず、我々も活動を理解していただく努力が必要であると思っています。ですから、今年はじゃかいもクラブ等、特別会員の方々との交流の機会を設けさせて頂いて、しっかりご案内させて頂きたいと思っています。
今回の対談もそうですが、こういった機会をいかし、より親密な交流を行うと共に、様々な活動の発信を皆様に理解して頂けるよう行っていきたいと思っています。

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もともと親交がおありのお二人だけに、談笑される場面も


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