理事長所信

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<はじめに>


 未だに世界中を翻弄し続けている未曾有のコロナ禍に見舞われている現在、多くの社会課題が表面化してきたと言われています。その中の一つに異なる意見や多様性を認めない不寛容さが挙げられています。青年会議所会員間の中においても、互いに異なる価値観や人間性、考え方を理解し合えず、一部の強い意見や行動だけが注目され、周囲が意見を表明しづらくなるということが起こっているように思います。多様な意見が出なくなることは、結果的にまちの変化を止めることになるため、『多様性を活かす』ことが持続可能なまちづくりを推進するうえで必要ではないでしょうか。
 
「JC宣言文」の中の一文にもこう記されています。
輝く個性が調和する未来を描き
社会の課題を解決すること
 
多様な価値観が存在する中で個性を尊重し、明るい未来を思い描き、社会の様々な問題を私たちの運動によって解決させていく事が重要であると。
 三木青年会議所には、創立から64年に亘り繋いできたまちに対する想いと、歴史と伝統があります。先輩方から伝えて頂いた古き良きJCも、今のJCも知っている私が、何ができるのか、何が伝えられるのか、私だからできるさまざまな事業を展開していきたいと考えております。
 本年度、三木青年会議所は多種多様な価値観や、バックグラウンドを持った仲間たちが個性を生かした様々な運動を展開することで、誰もが自分らしく生きることのできる新しい豊かな社会の実現を目指して活動してまいります。

<多様な個性を組織の価値へ>


 近年、ダイバーシティというワードを聞く事が多くなり、世の中にも認知されはじめていますが、我々が住む地域や、三木青年会議所ではまだまだ認知度が低いのではないかと思います。人には多くの個性があり、同じ人は存在しません。私自身、セクシャルマイノリティであり、今まで生活の中で様々な弊害がありましたが、近年はメディアなどの影響から、昔に比べると否定的な人は少なからず減ったのではないかと感じます。これからの私たちに必要とされるのは、多様性を受け入れ、新たな価値を創造し、組織として活力を高めていくことではないでしょうか。
 ダイバーシティと聞くと女性が活躍するイメージを思い浮かべるかも知れませんが、本来はもっと多くの観点があります。外見、性別、人種等の違い、目には見えない環境やその人の価値観等の違いに注目し、まずは本当の意味でのダイバーシティ&インクルージョンを理解する必要があるのではないでしょうか。それは、三木青年会議所がこれからも三木のまちに必要な組織としてあり続け、組織としての価値を高めるための一環であることを忘れてはいけません。

<ひとづくりについて>



 この数年、三木青年会議所の会員数は純増している一方で、入会 3 年未満の会員が半数を超えている現状があります。近年、新型コロナウイルスの影響もあり、JC活動も思うようにできず、あらゆる成長の機会が少なくなっています。新型コロナウイルスの影響が少なくなってきた今、多くの機会を会員に提供し青年会議所活動の楽しさを知ってもらう必要があるのではないでしょうか。
 また役職を経験してきた多数のメンバーが近い将来卒業するにあたり、先輩方から受け継いできた伝統や、我々の存在、使命について、そして「青年会議所らしさ」を全会員に理解してもらい、意識を高めることで今後の三木青年会議所を担う人財を育成してまいります。

<成長できる組織へ>


 私たちは社会や青年会議所のルールに則り会議や事業を遂行しますが、青年経済人として、より先進的かつ効率的な組織運営を行わなければなりません。青年会議所は決して効率を求める団体ではありませんが、無駄なことは省き、会員全員が活動しやすいように、アップデートしていかなくてはいけないのではないでしょうか。今の時代に即した組織を目指し、効率的な会議運営を行い、業種、性別、生活スタイルの違う様々なメンバーが活躍できる組織の構築を通じて、誰もが活躍できる社会の実現を目指します。
 また近年、三木青年会議所は、入会してから卒業するまでの在籍年数が短いメンバーが増えており、新会員に対して、会議体を構成する人の役割や仕組み、組織の意義を理解し、自身の能力を最大限に発揮できるようになることで、三木青年会議所の運動のパワーはより強くなると考えます。全メンバーがJCに全力で取り組み、より良い運動を展開するという想いをひとつにすることで、成長できる組織を構築してまいります。

<まちづくりについて>



 地方の人口減少・高齢化は長年、全国的な課題となっています。この三木市でも例外ではありません。三木市は消滅可能性都市のひとつに数えられ、特に若者世代の人口の減少が顕著になっています。
 他の地域から移住して、三木市に定住することへのハードルは高いかもしれませんが、「このまちに住みたい」、「このまちに住んでみたい」と思ってもらえるにはどうしたら良いでしょうか。必要な要素として、「このまちに魅力があるか」が重要だと考えます。三木市に住む人はきっと何かしらに魅力を感じて三木市に住んでいるのだと思います。この三木市には、数多くの資源が存在しています。今一度、まちを見渡し、自分たちに何が出来るのか考えることが重要ではないでしょうか。視点を変え、ほんの少しアレンジを加えたり、付加価値を生み出すことによって、三木青年会議所だからこそ出来るまちづくり事業を展開していきます。

<戦略的な広報活動>


 我々の運動は、市民の方々、関係各所のご理解とご協力のもとに成り立っており、広く周知し、ご理解いただくことで、より良い運動を展開することができます。三木青年会議所は日々、様々な活動を行っていますが、十分な広報力を持って、発信ができているのでしょうか。
 まずは広報活動の原点でもある「知らない人に知ってもらう」を念頭におき、三木青年会議所の存在を知ってもらえるよう、あらゆる手段を活用し、積極的に私たちの活動を発信していきます。そして三木青年会議所が「明るい豊かな社会の実現」を目指し創立から今日まで活動している組織であることや、メンバーのまちに対する想いを発信することで三木青年会議所の知名度とブランド力を高めていきます。さらに、まちの人々が必要とする情報を発信することで、人々の関心を惹き、三木青年会議所がまちの人々に必要とされる組織となるようブランディング戦略を進めてまいります。今まで培ってきた広報の技術を単年度で終わらせることなく、確立されたものとして次世代につなぎ、三木青年会議所の広報発信力をより高めてまいります。

<まだ見ぬ出会いを求めて>



 三木青年会議所が明るい豊かな社会の実現に向けて運動を展開するうえで最も重要なのが会員数であり、継続的な会員拡大は必要不可欠です。そして、まちに変化を起こす運動を展開するうえで会員数の減少による運動縮小は避けなければなりません。
 近年、三木青年会議所の会員数は純増となっておりますが、地域にとって存在感のある組織、価値ある組織であり続けるため、私たちはより多くのメンバーを三木青年会議所に迎える必要があります。
 また、私たちの組織の強みは、年齢や、性別問わず、多様な業種、役職、色々な考え方のメンバーが揃っていることではないでしょうか。近年、ダイバーシティというワードの認知度が高まり、多様な価値観が集まることでLOMの発展に大きく繋がる可能性があります。多様性に富んだ多くのメンバーを三木青年会議所に迎えることで、未来へつながる運動を展開していきます。

<おわりに>



 この三木青年会議所に入会してから約15年が経ち、人より長い時間と道のりがありましたが理事長までさせて頂くことができました。入会当時に比べると、青年会議所の使命、自身のやらなければいけない事が、明確に見られるようになったと思います。
 これまで多くの先輩方、メンバー、地域の皆様に育てていただきました。たくさんの学びの機会と三木だけではなく各地に多くの仲間ができ、青年会議所が大好きで自分の中の生活の一部となっており、とても大切なものとなっています。振り返ると決して楽しいことばかりではなかったかもしれませんが、今の自分があるのは三木青年会議所のおかげだと心から思っています。
 一歩一歩前に進むことで、今はまだ気付かないかもしれませんが、 確実に成長している自分がいます。青年会議所には、人を変え、成長させる力があります。 人は人でしか磨かれないという言葉がある通り、仲間と共に汗を流しながら自分も仲間も成長し、共に前に進んでいきましょう。
 
基本方針

  1. 価値を高めるひとづくり
  2. 誰もが活躍できる組織運営
  3. 未来へつながる拡大
  4. 戦略的な広報活動
  5. 魅力あるまちづくり