人権フォーラム
日付:10月23日(火)
時間:19:30~
場所:三木市立総合隣保館
10月23日(火)19時30分より、三木市立総合隣保館にて人権フォーラムが開催され、講師として、当青年会議所の岡田紹宏理事長がご講演されましたので、講演内容を一部抜粋してご紹介いたします。
演題 「ほんの少しの思いやり」(一部抜粋)
私たちの日々の生活、現状を考えると、これからは国にも、行政にも、すべてを頼っていくことが出来ない。だから、より一層、地方が、民間が中心になって、自分たちのことは自分たちで行えるような自立した、元気なまちにしていかなくてはならない。その為に私たちは、この地域に住む者として、大人として、企業人として、何ができるのか?何をすべきなのか?
まずは、自分のためでいいと思います。自分の生活を守り、自分の企業が生き残ることが第一です。
しかし、自分のことだけで終わってしまっては、その先に繋がるものが何もありません。ほんの少しでいい。出来る限りでいい。頑張って作りだした貴重な余力を使い、周りの人の為、自分の住むまちの為、何が出来るかを真剣に考え、真摯に実践する。
その地道な積み重ねが、自分の成長となり、自分の周りの人々の幸せとなり、地域の活性化につながるのだと思います。
地域に活力が生まれれば、まわりまわって、そこに住む人々も、そこで営む企業も元気になるはずです。つまり、ほんの少しの思いやりは、自分を含めた、たくさんの人々をプラスにする、元気なまちづくりの大切なきっかけなのです。私たちはそう信じています。
その「ほんの少しの思いやり」ですが、思いがけないところで実感した出来事がありました。
今年、三木青年会議所は「みっきぃふるさと創造プロジェクト~地域に届け、僕らの希望!」という事業を開催しました。これは公募により選出した三木市の中学生が、三木市について真剣に考え、話し合ったことを基に映画を作り、上映会を行う、というものです。映画を作る過程で、自分の住むまちのことを改めて見直し、郷土への愛と夢を育んでもらうことを目的としました。中学生の自主性を重んじ、映画製作会社や様々な団体にご協力をいただきながら、シナリオ・脚本はもちろん、役者も、カメラも、音声も、大道具・小道具までも中学生自身が担当し、彼らの思うままに作っていくという形にしました。
映画を作るということは、我々の想像以上に手間暇がかかり、大変な作業でした。三木のことについて話し合うことから始まり、脚本づくり、配役の検討、演技・撮影・録音の練習、そして大道具・小道具のデザイン・製作、下見(ロケハン)など、万全の準備が必要とされます。撮影当日は撮影場所の天候や状況によって左右され、演技の失敗やカメラ・音声の収録ミスだけでなく、少し雑音が入ったり、急に強風が吹いたりすれば、何度も撮り直しを行います。同じシーンが長引くと、大人でも集中力が切れ、疲れ果て、だらけてきます。
そんな厳しい環境において、初めはよそよそしく、まとまりのなかった中学生が、お互いちゃかしあって、騒いでいた中学生が、自分たちの映画の完成という共通の目的に向け、役割を担っていく中で、自分の立場を自覚し、真剣に取り組むだけでなく、最後には、誰かがミスをすれば、みんなでフォローしていくという素晴らしい思いやりの輪を築いていました。そして、最終日のラストシーンを何とか撮り終え、脱落者もなく、参加者全員で無事作品を作り上げることができたのです。
誰に言われた訳でもない。自然と出来上がっていた「出来ない人を責めるのではなく、出来る人が助けよう。」という彼らの姿は、私たち大人が見ていても感動するものであり、驚くべきものであり、未来への可能性を感じるものでありました。一つの大きな目標を達成するためには、自分の役割を果たすだけでなく、仲間に対する思いやりが不可欠なのだと、彼らの姿を通して改めて勉強させられました。
一人のわずかな思いやりの大切さ。
これは、まちづくりも同じことであると言えます。
私たちは、この「ほんの少しの思いやり」を忘れず、元気なまちづくりを目指し、地道に地域活動を続けてまいりたいと思います。