活動報告
8月例会 あなたの会社の未来は、誰が描くのか ~事業承継とM&Aから、自社の未来を考える~
2026年08月03日
もし、社長がいなくなったら——あなたの会社は、続いていきますか。8割の会社が、その答えを持っていません。
2026年8月3日、一般社団法人三木青年会議所は、三木市立市民活動センター 2F 中会議室にて、8月例会「あなたの会社の未来は、誰が描くのか」を開催いたしました。拡大委員会が企画したこの例会は、「自社の未来に向けて、今できることから取り組む意識を持つこと」を目的に、事業承継とM&Aをテーマに据えた学びの場です。小林税理士事務所の小林憲志郎先生、株式会社JW Capital Partnersの本間有紀哉先生をお招きし、ご講演の後にはグループワークで実際に企業価値を算出するという、実践的な内容となりました。
■理事長挨拶
例会の冒頭、理事長より挨拶がありました。「M&Aには、“攻め”と“守り”の二つの意味がある」——自社の強みを補い、事業を拡大していくための攻めのM&A。そして、後継者不足の中で店を閉めるのではなく、引き継いでくれる会社を探すという守りのM&A。近年は特に後者が増えており、「誰にとっても起こりうることだ」と語られました。
また、「PLやBSは普段から目にしているはずだが、M&Aを行う当事者が実際にどこを見ているのか——キャッシュ、売上、利益を総合的に見ていく、その視点を知ってほしい」と、本例会を今後の新しい選択肢を学ぶ機会としてほしいという想いを述べられました。
■3分間スピーチ
3分間スピーチには、田谷くんと山川くんのお二人が登壇されました。田谷くんは「人生の抱負は成長」と掲げ、貪欲に成長していきたいという想いを語られました。お笑いや落語がお好きで、人を楽しませることが好きだという田谷くん。「ユーモアのある人間になりたい。自主的に動かなければ、自分のアイデンティティはなくなってしまう」——楽しく、常識にとらわれず、自主的に動いて成長していきたいと力強く語られました。
山川くんは「願いをかなえられる人生」をテーマに掲げられました。「願いは、壮大なことではなく、小さいことからかなえていくことが大事」。子どもにおもちゃを買ってあげられること、妻を旅行に連れて行ってあげられること——そうした身近な願いを、言い訳せずにやり抜く。「小さなことができなければ、大きなことはできない」という言葉に、会場が静かに頷きました。
■例会趣旨説明|もし、社長がいなくなったら
続いて、拡大委員会 委員長の小田くんより、本例会のメインコンテンツについて説明がありました。「もし、社長がいなくなったら、あなたの会社は続くことができるでしょうか」——投げかけられたのは、経営者であれば誰もが一度は考えながら、多くの場合は先送りにしてしまう問いでした。実に8割の会社が、そのときにどうするかを決めていないといいます。
会社を存続させていくために、この日は二つの視点から学びを深めます。小林先生からは税務の観点による事業承継のお話を、本間先生からはM&Aの実務の観点によるお話を——立場を問わず、自社に置き換えて考えられる構成となりました。
■講演①|小林憲志郎先生(小林税理士事務所)
まずは、小林憲志郎先生によるご講演です。「事業を継続していくことができないということは、一企業の問題ではなく、社会の課題である」——日本の企業の99.7%を占める中小企業において、後継者が不在のまま高齢化が進み、倒産率は跳ね上がっています。しかも、黒字であっても倒産してしまうケースがあるという現実。数字とともに示されたその実態に、参加者は自社の姿を重ねながら聴き入りました。
そのような時代の中で、税務の観点からどのようにうまく承継していくのか。小林先生は実例に基づきながら、経営者だけでなく従業員も含めて“自分ごと”として考えることの大切さを、丁寧にお話しくださいました。
■講演②|本間有紀哉先生(株式会社JW Capital Partners)
続いて、本間有紀哉先生によるご講演です。本間先生はこの10年間で200〜300件ものM&Aに携わってこられた実務のプロフェッショナル。「事業承継には、親族へ・親族以外(役員等)へ・M&Aという3つのパターンがある」と整理されたうえで、M&Aを単なる会社の売買ではなく、会社を守り、未来へつなぎ、成長させるための選択肢の一つとして位置づけて解説してくださいました。
そしてM&Aを進めるうえで最も重要なのが、企業の価値を算出すること。将来・現在・過去という3つの観点から企業価値をどう見ていくのか、実例をもとに分かりやすくお話しいただきました。同年代で第一線に立つ方の言葉には、確かな説得力がありました。
■グループワーク|企業価値を、自分の手で算出する
講演の後は、いよいよ実践です。架空の会社のPL・BSを題材に、具体的に企業価値を算出し、「この会社をM&Aするかどうか」を判断する——疑似的にM&Aを体験するグループワークに取り組みました。
各テーブルでは、数字を追いながら真剣な議論が交わされます。同じ資料を見ていても、着目する点や下す判断はそれぞれ。数字だけでは表しきれない会社の価値とは何か、そして自社にはどんな価値があるのか——机上の学びが一気に“自分ごと”へと変わっていく時間となりました。
■御礼の言葉
締めくくりに、山口副理事長より御礼の言葉が述べられました。同年代でありながら第一線で活躍されるお二人の、実体験に基づいた講義への感謝——そして、事業承継とM&Aという普段はなかなか正面から向き合えないテーマに、これだけ深く踏み込めたこと。大変価値の高い例会であったと、参加者一同の想いを代弁する言葉で結ばれました。
■ニコニコ
■幹事タイム
入口幹事による幹事タイム。さすがの安定感です
■懇親会|ニュー武蔵にて
例会後の懇親会は、恒例のニュー武蔵にて。一年に一度のうな重で、しっかりと精をつけました。学びの熱をそのままに、自社のこと、これからのことを語り合う——メンバー同士の距離が、また一段と近くなる時間となりました。
もし、社長がいなくなったら。今回の例会は、その問いを先送りにせず、今できることから向き合うための第一歩となりました。事業承継やM&Aを身近なテーマとして捉え、自社の未来を自らの手で描いていく——三木青年会議所は、これからも地域社会の発展と会員一人ひとりの成長のために活動してまいります。